時計は再び動き出す

時計は再び動き出す

時計は再び動き出す

誰にでも、一生に一つくらいは大切な時計があると思う。
就職祝いに親からもらったとか、祖父母の形見であるとか、初任給で買ったとか。
時計は、日々の暮らしの中で使うものだから、どんなに大切にしていたって壊れる時はやがて来る。

 

時を止めてしまった時計は、どうしてあんなに心を締め付けるのだろう。
童謡『大きな古時計』にもそんな一場面がある。
動かなくなった時計が、人の心を大きく揺り動かす。
その時計が自分にとって大切なものであるのなら、なお辛いだろう。
悲しくもなるだろう。

 

壊れたら捨てて、新しいものを買えばいい?
そう言う人だっているだろう。
だけど、そう簡単に新しいものに買い替えることなんてできない。
思い入れのあるものなら、なおさらだ。
感情が納得しない。

 

そんな大切な時計を、もう一度動かせたなら。
そう望むのもまた必然だろう。

 

時計を修理して、再び時を刻むようにする。
修理する人の手は、まるで魔法の手だ。

 

再び動き出した時計を、目にした時の喜び。
それは、かけがえのないものとなるだろう。
はじめてその時計と出会ったあの日のように。

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